ソニーがXperia Xシリーズへとモデルチェンジを行い、カメラ評価サイトでのスコアを売りにするGalaxy S7 edgeや、HTC史上最強のカメラをうたうHTC 10など、カメラを売りにしたモデルが相次いでラインナップされた2016年夏モデル。
はたしていったい本当に画質がいいのはどのスマホなのでしょうか。さっそく夜景を撮り比べてみました。詳細は以下から。
◆まずは各モデルのカメラ機能をおさらい
今回比較に用いたスマホはXperia X Performance、Galaxy S7 edge、HTC 10、AQUOS SERIE、iPhone 6sの5台。Galaxy S7 edgeおよびiPhone 6sを除いて発売前の開発中の機種で、各モデルの特徴は以下の通りです。
・Xperia X Performance
世界最速0.03秒のオートフォーカスに、暗いところにも強い約2300万画素の新センサー「Exmor RS for mobile」、F2.0・広角24mmの「Gレンズ」、画像処理エンジン「BIONZ for mobile」を採用。新たにタッチした被写体の動作を予測してフォーカスを合わせ続ける追尾フォーカス機能が進化しました。
・Galaxy S7 edge
F値1.7の明るいレンズ、すべてのピクセルで超高速オートフォーカスを実現するスマホ初の「デュアルピクセル技術」を採用した約1220万画素カメラを搭載。世界的に権威あるカメラテスト機関「DxOMark」の総合スコアで歴代最高となる88点を叩き出しています。
・HTC 10
HTC史上最高のカメラをうたう同モデルには、昨年夜景撮影でかなり評価の高かったNexus 5Xにも採用されているソニーのカメラセンサー「IMX377(1200万画素)」を採用。前面、背面カメラ双方で光学手ブレ補正を搭載した世界初のスマホでもあります。
・iPhone 6s
より多くの画像情報をセンサーに送ることができる「Focus Pixels」により、オートフォーカスが高速かつ正確なのが特徴。短い露出時間に4枚の写真を撮影することで、ノイズ、モーションブラー、手ぶれが最も少ない写真を合成できるほか、iPhone 6と比べて高画質化(800万画素→1200万画素)されています。
・AQUOS SERIE SHV34
F値1.9のレンズにリコー「GRシリーズ」開発メンバーによる画質改善認証プログラム「GR certified」を取得した2260万画素カメラを搭載。シリーズ最速となる0.02秒ハイスピードAFを備えるなど、カメラ周りが大きく刷新されました。
◆さっそく夜景を撮影してみた
実際に都内の夜景を撮影してみた写真は以下。iPhoneと揃える目的で4:3の比率を選択した以外は、基本的にカメラの設定には手を加えず、あくまでオートで撮影。また、「カメラの暗所撮影性能を試す」という主旨から、フラッシュおよびモバイルライトはオフにしてあります。
・都庁の展望室
まずは入場無料で地上202メートルの高さから東京を一望できる、都庁の展望室に。
ちょうど都知事問題で揺れていた東京都庁。
東京オリンピックのロゴが掲げられていました。
なお、撮影順はXperia X Performance、Galaxy S7 edge、HTC 10、AQUOS SERIE、iPhone 6sで、サムネイルをクリックすると表示される拡大画像はファイルサイズの関係から、オリジナルの写真を横幅1920に一律でリサイズしたものです。
それでは都庁から南東方面を望んだところ。Xperia X Performanceは広角レンズにより他のスマホより広い範囲を撮影できるようになりましたが、その分ディティールが甘くなってしまったようにも見えます。
Xperiaに対してビルの窓や屋上の暗がりの部分までもはっきりと表現できているGalaxy S7 edge、HTC 10、AQUOS SERIE。しかしHTC 10はややノイズがのったような、AQUOSは少し画像補正がきつくかかっているような感じがあります。
iPhone 6sは今となってはやや暗い印象。
続いては新宿パークタワー、東京オペラシティなどが見える南西方面。今度はXperia X Performanceがディティールを損なうこと無く、色鮮やかに広範囲を撮影できる結果に。
Xperiaと比較すると撮れる範囲が狭いものの、Galaxy S7 edge(1枚目)やAQUOS SERIE(3枚目)が善戦。HTC 10(2枚目)はややぼやけてしまったほか、iPhone 6sは明るさが足りない結果となりました。
少し違うアングルからでは、ノイズがのった感じが目立つもののHTC 10(3枚目)が善戦。足元の建物を見るとGalaxy S7 edge(2枚目)もかなり頑張れていることが分かります。
AQUOS SERIEはのっぺりした感じとシャープさが混じる不思議な仕上がりに。
もともと明るさ抑えめで撮れるiPhone 6sですが、夜景撮影を楽しみたいなら、あまりオススメできないかもしれません。
あまり高層ビルなどが見えない練馬方面は「手前のビルの窓をどれだけ表現できているか」や画面左上の三日月が注目ポイント。ここではXperia X Performance(1枚目)の独壇場といってもいい状況で、しっかり撮れるものの鮮やかさに欠ける感のあるGalaxy S7 edge(2枚目)と、鮮やかに撮れるもののややノイズがあるHTC 10(3枚目)については、好みが分かれそうなところ。
AQUOS SERIE
iPhone 6s
新宿駅方面。手前のビルの壁面や窓を見れば、Xperia X Performanceのクオリティの高さが顕著です。
Galaxy S7 edgeはもう少し鮮やかなら、HTC 10はもう少しノイズが少なければ……と、先ほどと同じような結果となっています。
AQUOS SERIE
iPhone 6s
続いては都庁の足元にある、美内すずえの人気漫画「ガラスの仮面」で主人公・北島マヤが幻の演劇「紅天女」の世界観を掴むきっかけとなった「空の台座」と呼ばれるアートワーク。すべて同じ場所から撮影したもので、各モデルの暗所撮影性能に加え、画角の広さが一目で分かります。
画角こそ広いものの、3枚撮って3枚ともぼんやりしてしまったXperia X Performance。アートワークの向こうに見える建物名はともかく、アートワークの表面や木々のディティールが潰れてしまっています。
Xperiaに対し、かなりいい線をいっているGalaxy S7 edge。
しかしベストは間違いなくHTC 10。文句無しのクオリティです。
善戦したものの、「Xperiaよりはマシ」程度のAQUOS SERIE
iPhone 6s
さらに都庁自体を撮影してみたところ。Xperia X Performance(1枚目)やHTC 10(3枚目)がぼんやりしたのに対して、Galaxy S7 edge(2枚目)やAQUOS SERIE(4枚目)がかなりはっきりと撮影できています。
iPhone 6s
最後に都庁の足元でもう1枚。街灯の光が他の被写体に強く影響を与えず、それでいて周辺のビルなどもしっかり明るく撮れているのは、Galaxy S7 edge(2枚目)やHTC 10(3枚目)、AQUOS SERIE(4枚目)。しかしAQUOSはやや色味をはっきりさせすぎる傾向があることが、タクシーの車体の色から見て取ることができます。
iPhone 6s
後編では繁華街やよりいっそう暗い場所からの撮影などをお届けします。
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