【アレクサのいる生活 その4】「音楽の聴き方」が全く別物に変わる

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アレクサがなによりも大きく変えたのは音楽の聴き方という意外なものでした。詳細は以下から。

前回から少し時間が経ってしまいましたが、アレクサのもたらした音楽との新しい付き合い方についてのお話です。

◆主用途としての「音楽再生」
昨年時点のスマートスピーカー用途に関するロボスタAmazon Echoは何に使われてるの? 米国でのスマートスピーカーの利用方法、調査結果まとめという記事の中では、2016年5月の調査で「繰り返し使うスキル」で音楽再生がトップとなっています。

他の調査でも音楽再生は常に主要なスキルのひとつとして考えられていますが、実際にアレクサであればAmazon Music Unlimited、Google homeならSpotify、AppleのHome PodはもちろんApple Musicと、それぞれに4000万曲クラスの巨大な音楽サービスとリンクしています。

これがウォークマンからiPodへ、そしてストリーミングへと移行していった私たちと音楽の付き合い方を大きく変えることになります。

かつてiPodが登場した時、ウォークマン世代は自分のCD棚全てをポケットに入れて持ち歩けることに驚愕しました。しかしそれは単なる通過点に過ぎませんでした。

いつの間にか私たちはYouTubeを筆頭としたネット上にアップされた音楽をスマホ聴くようになり、ネットラジオやストリーミングサービスは当たり前の身近なものとなりました。

こうした変化をさらにスマートスピーカーが推し進めることになります。

◆アレクサの変えた「音楽の聴き方」
アレクサに音楽を再生させるには、単に「アレクサ、音楽をかけて」と話しかければいいだけです。アレクサはAmazonプライムのプレイリストから適当なものを選び、再生してくれます。

その「音楽」を「楽しい音楽」「テクノ」「モーツァルト」「島唄」など、音楽の雰囲気やジャンル、アーティストや楽曲名を指定すればその音楽が再生されます。現状筆者が使っているのはAmazonプライムだけですが、Amazon Music Unlimitedに加入すれば4000万曲から選べるので選択肢は大きく広がります。

前記事でもハンズフリーの音声入力だけで使えることがアレクサの大きな強みであると述べましたが、ここではその手軽さが最大限に活かされます。自分でPCなりスマホを操作することなく、声だけで求める音楽に辿りついて再生できるという快適さは予想以上のものです。

そして、この快適さは自分が明確に「オマリーの六甲下ろしが聴きたい」などと判明している場合ではなく、曖昧に「〇〇な感じの音があったらいいな」というタイミングで最も大きなものになります。

そこで流れるプレイリストは現時点ではまだ充実の極みとは言えず、ある種ベタな楽曲が多い状態ではあります。ですが、自分の望む雰囲気を伝えるだけである程度の方向性で固められたプレイリストの楽曲がシャッフル再生されるというのはこれまでにない「音楽の聴き方」です。

期待を持たせすぎてはいけないので釘を刺しておくと、アレクサのAmazonプライムでのプレイリストは残念ながらショボいものが多く、「〇〇な感じの音楽」と言っても望みの雰囲気でなかったり、「よく分かりません」と返事されることも多々あります。

ですが、これは方向性としては広がりと深みを展望させてくれるもので、例えばアレクサのユーザーが各自でプレイリストを自由に作成し、雰囲気やジャンルなどのハッシュタグなどを付けて公開できるようになれば、聴く側の自由度とチョイスは格段に増し、音楽体験もより充実したものとなるでしょう。

◆「TuneIn」などのスキルとの連携
アレクサに最初から入っているスキルの中に「TuneIn」というラジオアプリがあります。音楽好きの間では以前からPC版やスマホアプリとしても有名で、ワールドワイドに好みの雰囲気やジャンルの音楽、さらにトークやニュースなどを楽しむことができます。

現時点ではアレクサの「TuneIn」はまだまだ使い勝手が悪く、ラジオのチャンネルをしっかり伝えてもうまく再生されなかったり、ジャンルを言って適当なチャンネルをかけてもらうというようなフレキシブルな使い方はできません。

しかし、アレクサを使ってこれらの世界中の音楽チャンネルに直感的にアクセスできるようになれば、私たちの音楽体験はより自由になります。

また、現時点ではアレクサとは連携されていませんが、Sound CloudやMix Cloudといったアーティストの独自の楽曲やDJのミックス音源がアップされるサイトがスキルとして連携すれば、そのリーチは考え得る限り広くなるでしょう。

例えば「アレクサ、Mix Cloudでチルアウトなミックスをかけて」と言えばチルアウトのハッシュタグを付けたDJミックスがランダムにプレイされると考えたらどうでしょうか。私たちは自分の好みを超え、知らなかったアーティストや楽曲へとこれまでよりもはるかに容易にアクセスできるようになります。

◆もたらされる「新しい音楽の聴き方」について
「雰囲気で選ばれ、聴き流される音楽」というのはクラブのラウンジやフェスのサブブースを思い起こさせる音楽の聴き方です。そういうものが私たちの部屋の日常生活に滑り込んでくるということになります。

そして場合によってはそうした音楽がきっかけとなり、私たちに新しい音楽の好みをもたらしてくれるかもしれないという、なにか予感めいたものもあります。

「No Music, No Life」が合い言葉だった90年代以降に音楽がたどった流れを見れば、この視点は音楽に多くを期待しすぎているのかもしれません。ですが動画やゲーム、映画、テレビ、ラジオなどのコンテンツに音楽が関わっている以上、音楽が消え去るわけでもありません。

であれば音楽は「直接相対するもの」である以上に、(アレクサがまさにそうであるように)部屋に当たり前にあって私たちの空間を満たすものとして共存していくことになるのかもしれません。

アレクサにスマート家電の照明を付けさせるように音楽を再生させる。これからの私たちと音楽の付き合い方はそのようなものに変わっていくのではないでしょうか?

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