月面基地への大きな一歩となりそうです。詳細は以下から。
BUZZAP!では昨年月面に氷や水が存在する可能性のある全長50kmの巨大空洞が発見されたことを報じましたが、今度は月の北極と南極に「水の氷」が発見されました。
月にはアルミニウムやチタン、鉄に水素や酸素といった資源がある事が分かっており、「理想の核融合燃料」であるヘリウム3も存在しています。そのため、将来的には月は極めて重要な資源の供給源となる可能性もあります。
実際に月の資源を利用するためには月面に拠点となる基地を作る必要がありますが、人間が滞在するとなれば(恐らくは機械で採掘をする際にも)水は必須です。そうした水が採掘せずに使用できる月の表面にあるとなれば、月面基地までのハードルがぐっと低くなります。
今回この発見をしたのはハワイ大学のShuai Li博士が主導した同大とブラウン大学、NASAのエイムズ研究センターのRichard Elphic博士らのチーム。用いられたのは2008年にインドが打ち上げた月探査機チャンドラヤーン1号に搭載されたNASAの月面鉱物マッピング装置「Moon Mineralogy Mapper(M3)」のデータです。
M3は氷の反射する光だけでなく、赤外線の水分子への吸収なども測定できるため、水が水蒸気や氷の状態にある場合はそれらの違いも検知することが可能です。
このデータを解析した結果、両極の極地の表面から数mmのところに氷の水が存在している事が判明しました。見つかったのは基本的にクレーターの内部で、月がどのように公転・自転をしても絶対に太陽光線が当たらない場所です。
氷の水時代は他の星でも発見されていますが、他ならぬ地球の「目と鼻の先」の月の表面に存在するということは利用可能な資源として極めて重大な意味を持ちます。
地球外への進出という、いつか思い描いた未来への第一歩に繋がるでしょうか?
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