何を言っているのかわからないと思いますが、恐ろしいものの片鱗を味わった気分です。詳細は以下から。
まず見てもらいたいのが、フジサンケイグループのラジオ局・ニッポン放送公式ニュースサイト。「深田萌絵が6年前から告発していたファーウェイ問題とは?」と題し、Huawei製品のセキュリティについて論じていますが……
「Huaweiがイラン人と共謀して日本の通信衛星にハッキングしようとしている現場に出くわした」という、とんでもない証言が紹介されています。
深田)そうですね。6年前にファーウェイが日本の衛星にハッキングしようとしている現場に出くわしてしまって。そのときにイラン人と共謀して日本の衛星通信をハッキングしようとしていたので、一応、総務省や警察に通報はしたのですが、「衛星ってハッキングされたらいけないのですかね?」というような反応だったので、仕方がないからFBIに通報したのです。それがきっかけでファーウェイを告発してから6年が経ち、その間もすごい嫌がらせがたくさんあったのですよ。
どういうシチュエーションで出くわしたのか、どうして中国の軍でなく民間の会社が通信衛星にハッキングを仕掛けるのか、仮に中東系の人が現場にいたとして、それはイラン人と見分けられるものなのか……など、考えれば考えるほど疑問符しか浮かばないこの証言。
なお、証言を行った深田萌絵さんは1月に「日本のIT産業が中国に盗まれている」という本を出版した人物。「中国は技術泥棒」「日本のIT技術が中国に」「通信インフラやスマホを通して通信傍受」などの刺激的な言葉が表紙を飾っています。
しかし残念ながら日本は4G以降の通信技術において完全に出遅れており、NEC・ドコモ・富士通が中心となって手がけた日の丸LTEモデム「SAKURAチップ」はARROWSを不安定な爆熱スマホにしただけで頓挫。プロセッサやモデムを自前で手がけるHuaweiの足元にも及ばず、「IT技術が中国に」と懸念する以前の状況です。
5Gに至っては特許取得数、機種の提案数ともにHuaweiやSamsungといった中国・韓国勢に水をあけられています。
隆盛を誇っていた富士通やNECのパソコン事業も今やレノボ傘下、大手各社の家電事業なども中国や台湾に売り渡され、AIなど先端分野の研究すら後塵を拝しつつある日本の実情を鑑みれば、深田さんの著書や今回の証言をそのまま信じるのは難しいところです。
携帯各社やGoogleが安全性を検証しているにもかかわらず、「分解したら余計なもの(ハードウェア説)」に続いて「余計なものはスパイウェアに似たような挙動(ソフトウェア説)」を昨年12月に相次いでぶち上げ、結局何の証拠も示すことなく記事を消して逃亡したフジ。
そんなフジの新たな一手となった今回の報道ですが、今度こそ証拠はあるのでしょうか……?
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