Huaweiの5Gが「歴史上初めてアメリカが次世代技術でリードしていない」とアメリカに言わせしめるほどの脅威となっているようです。詳細は以下から。
◆Huawei対抗でNokiaやEricssonをアメリカの支配下に
BloombergやFinancial Timesほか海外メディアの報道によると、アメリカのウィリアム・バー司法長官はワシントンで開かれた「戦略国際問題研究所(CSIS)」の会議において、フィンランドのNokiaやスウェーデンのEricssonの支配権を握るべきという提案を行ったそうです。
これは技術およびコスト競争力に優れるHuaweiが5Gにおいて支配的な立場にあることを受け、5GインフラでHuaweiと競合する2社を傘下に収めてバランスを取ることを目指したもの。
具体的には直接または民間企業や同盟国企業のコンソーシアムを介してアメリカがNokiaないしEricsson、あるいは両方の支配権を握ることを提唱。
同盟国の企業を加える背景には、時価総額約500億ドルにのぼる両社を買収するための資金を確保する意味もあるとみられます。
また、バー司法長官は3Gから4Gへの移行期などとは異なり、「歴史上初めてアメリカが次世代技術でリードしていない」と懸念を表明。
「5Gの覇権争いで中国に敗れるリスクを最優先で検証すべき」とした上で、同盟国に対してもこの提案を積極的に検討するよう呼びかけています。しかし仮に資金を集められても海外の規制当局の承認を得る必要があるなど、ハードルは低くありません。
◆10年で急成長、5Gでフロントランナーに躍り出たHuawei
過去10年でEricssonの年間売上高が279億ドルから239億ドルに、Nokiaは576億ドルから266億ドルに減少する中、280億ドル(2009年)から1070億ドル(2018年)に伸ばしたHuawei。
昨年7月に行われたカンファレンスでは5Gにおける自社の優位性を説き、同業他社を大きく上回る15万局の5G基地局を出荷したと明かしています。
すでに基地局の軽量・小型化でトータルの展開コストを引き下げられる段階に。基地局を大量に敷設する必要がある5Gでは非常に大きな意味があります。
ファーウェイの5G基地局は4G基地局より20倍も性能が優れています。こうした性能向上を実現する一方で、5G基地局の軽量化・小型化に成功し、お客様の5G展開コストを大幅に低減しています。そのため、ファーウェイの5G基地局はスタッフ2人がわずか2時間で設置することができます。これは4G基地局と比べると約半分の設置時間です。
最大の同盟国・イギリスすら一部でHuawei製5Gネットワーク機器の導入を決めた理由はまさにコスト面であり、資本主義社会において当然の帰結でもあるわけですが、はたしてアメリカは思惑通り2社を傘下に置くことができるのでしょうか。
なお、アメリカがファーウェイ排除に躍起な背景には、以下のような事情もあります。
5G基地局からファーウェイ排除を進める理由、アメリカ国防総省のレポートから明らかに | BUZZAP!(バザップ!)
・関連記事
新型肺炎がファーウェイ直撃、世界2位となったスマホの急減速も | BUZZAP!(バザップ!)
5G基地局からファーウェイ排除を進める理由、アメリカ国防総省のレポートから明らかに | BUZZAP!(バザップ!)
韓国で部品・素材の「脱日本(ジャパンフリー)」加速へ、国内メーカーのファーウェイ依存が進む可能性も | BUZZAP!(バザップ!)
「ファーウェイの5G基地局を使わなければ減税」携帯各社に法人税の軽減など優遇措置 | BUZZAP!(バザップ!)
ファーウェイ製5G機器導入をイギリスが決定、コスト面で排除が困難に | BUZZAP!(バザップ!)