【追記あり】中学校の武道に「銃剣道」が追加、ヒゲの隊長こと佐藤正久議員の働きかけも

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Photo by Clancy Mason

旧日本軍において訓練されていた銃剣術に端を発する銃剣道が中学校の武道に追加されることになりました。詳細は以下から。

松野博一文部科学相は3月31日付の官報で、小中学校の新学習指導要領と幼稚園の新教育要領を告示しました。この中で、中学校で習う武道について、「学校や地域の実態に応じて種目が選択できるよう」として新たに「銃剣道」を加えました。

銃剣道は明治期に日本の伝統的な剣術や槍術を元にした独自の軍刀術・銃剣術に端を発するもの。第二次世界大戦中の昭和15年、紀元二千六百年記念の橿原神宮大会から名称を「銃剣道」に改めました。大戦末期に主に男性を中心に行われた「竹やり」の訓練も、実際にはこの銃剣道を元に行われてたものです。

敗戦後、GHQによって一時期武道が禁止されていましたが、占領が終わった後の昭和28年に旧陸軍戸山学校関係者が戸山剣友会を設立したことで再興、自衛隊でも銃剣道が採用されました。昭和31年には銃剣道の全国組織として全日本銃剣道連盟が結成され、初代会長に旧陸軍大将今村均が就任しています。

その後も自衛官が競技人口の大半を占め、事実上「自衛官の競技」という側面が現在まで強く残っています。全日本銃剣道連盟は旧日本軍のイメージを払拭すべく「戦前の戦技的内容を払拭した競技武道」とアピールしていますが、競技内容は木銃を用いて相手の喉、胴などを「突き合う」というまさに戦技。

Photo by Wikipedia

なお、剣道では中学生までの「突き」は安全上の理由から「禁じ手」とされています。一方銃剣道は「突き」を基本とした競技となっており、安全性の確保がどのようにして行われるのか、大きな不安が残ります。

また、剣道を指導できる教員は現在でも大勢存在していますが、銃剣道はマイナー競技であり、どれほどまともに指導できる教員が存在しているかは不明。

タイミングがタイミングだけに「戦前回帰」というイメージを持たれることは間違いありませんが、いったいどのような了見なのでしょうか?

中学武道に銃剣道を追加 体育で「異性への関心」は残る:朝日新聞デジタル

【3/31 11:27追記】

ヒゲの隊長として知られる元陸上自衛官で自民党の佐藤正久議員が2017年3月15日付けの本人のブログで以下のように銃剣道を賛美し、新学習指導要領に掲載させるよう強く働きかけている様子が描写されています。

中学校学習指導要領(案)から「銃剣道」が漏れていました。
 
 昨年12月21日の中央教育審議会「学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」では、「グローバル化する社会の中で、我が国固有の伝統と文化への理解を深める観点から、日本固有の武道(※184)の考え方に触れることができるよう、内容等について一層の改善を図る。(※184)日本武道協議会加盟団体実施種目・・・柔道、剣道、弓道、相撲、空手道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道 と明記されています。
 いま国会で審議している来年度予算案の資料にも「武道等指導充実・資質向上支援事業 190,482千円」として「柔道、剣道に加え、新たに相撲、空手道、なぎなた、弓道、合気道、少林寺拳法、銃剣道に拡充」と記されているにもかかわらず!です。
 中央教育審議会の答申は「我が国固有の伝統と文化への理解を深める観点から」と述べているのに、文部科学省スポーツ庁は「中学校での指導実績が1件と少ないから」との理由で、学習指導要領(案)から落としたとの説明。

(中略)

 銃剣道は指導実績こそ少ないが、「日本固有の武道の考え方に触れることができるよう、一層の改善を図る」という方向性を見失った学習指導要領(案)は、学習指導要領に値しないと、佐藤は3月9日の外交防衛委員会の場を借りて厳しく追及した。
 銃剣道は国体競技種目であり、自衛隊ではその入隊時、陸上自衛官や航空自衛官のほとんどが習い、部隊等に配置されてからもそのレベルアップに汗を流している武道です。
武道とは「武士道の伝統に由来する日本で体系化された武技の修練による心技一如の運動文化で、心技体を一体として鍛え、人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊重する態度を養う、人間形成の道」です。

(中略)

 本日は、義家文部科学副大臣にアポイントがとれたので、事情を説明に行ってきました。高村正彦先生が会長を務める武道議員連盟の議員の方々や、今津安全保障調査会長、寺田国防部会長にも説明に行き、賛同を得ることができました。自衛官出身の国会議員のお力も借りて、大臣の最終的な判断に資するよう、引き続き、文部科学省の政務三役(大臣、副大臣、大臣政務官)にも、説明に行きたいと思います。

銃剣道を学習指導要領に|佐藤正久オフィシャルブログ「守るべき人がいる」より引用)

もちろん佐藤正久議員にとって銃剣道は自衛隊員時代から慣れ親しんだ武道であることは疑いようがありません。ただし、その銃剣道を安全性が重視されるべき中学生の武道として教えることは全く別問題であることもまた当然の話です。

(Photo by Clancy Mason

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