13000年前の寺院から発見された石版から古代の彗星群の記述が発見される

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古代のロマンがまたひとつ明らかにされた…ということになるでしょうか。詳細は以下から。

氷河期末期の寺院から発見された石版には、地球を襲った大彗星群のことが記録されていました。

エジンバラ大学の研究チームは発見された中では人類最古となるトルコの寺院「ギョベクリ・テペ」から出土した「Vulture Stone(ハゲワシの石版)」と呼ばれる石版を調査していました。

Vulture Stoneに紀元前10950年を示す日付が刻まれている事は既に判明していましたが、ここにはその時代に起こった大彗星群の衝突についても記されていたと研究チームが発表しました。

DECODING GOBEKLI TEPE WITH ARCHAEOASTRONOMY:WHAT DOES THE FOX SAY?

紀元前1万年前後は氷河期の終わりという極めて大きな気候変動が起こった時期でもあり、地域的な動植物の絶滅や人類の部族の消滅などが相次いでいました。今回の石版の解読がそうした古代史に決定的な一石を投じる可能性があります。

ギョベクリ・テペはトルコのアナトリア南東部、シャンルウルファの郊外の丘の上にある新石器時代の遺跡で、遺丘の高さは15メートル、直径はおよそ300メートルにも及んでいます。

現在も発掘と研究が現在進行形で進んでいますが、最も古い部分は少なくとも1万1000年前までには形作られていたことが分かっています。これはメソポタミアで農耕が行われるよりも以前のことで、植物栽培や家畜の痕跡が見つかっていないことから当時は狩猟採集生活を行っていたと考えられています。

ギョベクリ・テペが寺院であると考えられている理由は、遺跡を構成する柱が10トンから20トンほどもあり、採石場から100~500m離れていること。これを運ぶには数百人単位の労働力が必要で、このような事業を監督する指導者的立場の人間がいたことを暗示させます。

そして研究チームはギョベクリ・テペを作った人々が何らかの天文学的な知識を持っていたと想定していました。ストーンヘンジやマヤのピラミッドのように星々の運行に関連した古代遺跡は少なくありません。

そうした視点から解読を試みた結果、研究チームは発見された石版のひとつであるVulture Stoneに特定の星の位置を発見、さらには牡牛座流星群の描写を見つけたのです。

牡牛座流星群はエンケ彗星を母彗星として毎年11月上旬に今も楽しむことのできる流星群ですが、エンケ彗星は約2万年程前に崩壊したより巨大な彗星の破片のひとつと考えられています。

これらの証拠から研究チームは、Vulture Stoneが作られた時期にエンケ彗星の元となった巨大彗星に由来する大彗星群が地球を襲い、その一部がヤンガードリアスと呼ばれる気候変動の引き金になったと考えています。

ヤンガードリアスは、最終氷期が終わり温暖化が始まった状態から急激に寒冷化に戻った現象で、現在から1万2900年前から1万1500年前にかけて北半球の高緯度で起こりました。原因は特定されていませんが、研究チームらは大彗星群のうちの巨大な破片のひとつが地球に衝突、これによって巻き上げられた塵が北半球を覆って1000年に渡って寒冷化を引き起こしたと考えています。

ただし、現時点で彗星の衝突の証拠となるクレーターは発見されていないため、これは現時点では仮説の域を出ることができません。

13000年前の寺院、謎の石版、巨大彗星、謎の気候変動、古代のロマンが溢れかえっており、ギョベクリ・テペのさらなる発掘と研究の進展と共に今後の展開が非常に楽しみです。

13,000-Year-Old Tablet In Mysterious Temple Reveals Ancient Comet Impact _ IFLScience

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