世界で最も優れた報道写真、「世界報道写真展2012(World Press Photo)」 ~スポーツ、日常生活、ポートレイトの部~



先日お届けした「各種ニュースの部」記事に引き続き、55回目となった「世界報道写真展2012」で受賞した作品を掲載していきます。

今回は「スポーツ」の部、「日常生活」の部、「ポートレイト」の部の3種類。前回の「各種ニュースの部」記事では事件や震災など悲惨な光景を捉えた作品が目立ちました。しかし今回は、人間が本来持っている美しさがより一層際立ち、見る者の胸を打つ写真が沢山集まっています。

※画像はクリックで拡大します

◆「スポーツ」の部:単写真

1位の「IRONMAN WORLD CHAMPIONSHIPS」。世界一過酷なレースともいわれるトライアスロンの最高峰、ハワイで行われた2011年アイアンマン・トライアスロン・ワールドチャンピオンシップにて魚の群れと泳ぐ参加者。(Donald Miralle, Jr.、2011年10月9日)


2位の「SCRUM HALF」。アイルランドのダブリンで開催されたラグビーの試合、豪雨の中のOld BelvedereとBlackrock。(Ray McManus、2011年2月5日)


3位の「THE JUMP」。スウェーデン人のベースジャンパーJohannes Dagemarkが、高さ150メートルの風力タービンからジャンプするところ。(Henrik Brunnsgard、2011年5月28日)


◆「スポーツ」の部:組写真

1位の「STRELKA」。ロシアで有名なアマチュア・ストリートファイトで、電気技師のMichael Turkanov(23)が20分間戦った後の写真など。砂の上で戦い、時間制限はなしでどちらかがノックアウトするか降参するまで戦い続けます。(Alexander Taran、2011年8月)













2位の「WORLD AQUATICS CHAMPIONSHIPS」。中国の上海にあるスポーツセンターでの第14回世界水泳選手権。ダイバーが練習している光景など。(Adam Pretty、2011年7月)












3位の「LUCHA LIBRE AT LA LOBA」。メキシコにあるLa Lobaでマスクを被ったルチャドール(プロレスラー)が歩いている様子など。(Tomasz Gudzowaty、2011年6月)













◆「日常生活」の部:単写真

1位の「NORTH KOREA」。北朝鮮の創始者、金日成の写真が首都平壌の建物を飾っています。(Damir Sagolj、2011年10月5日)


2位の「A MOUTHFUL」。コンゴ共和国のキサンガニ市郊外にあるコンゴ川で漁をする少女。魚を手で持つよりも安定性があるため、現地では口で魚を咥える方法が一般的です。(Johnny Haglund、2011年4月27日)


3位の「RADIO HAITI」。ハイチでは識字率が50%以下となっており、ラジオは生活に密着しています。シスターMelianise Gabreusはカトリック教区のラジオ局のスターです。(Paolo Woods、2011年8月15日)


◆「日常生活」の部:組写真

1位の「NEVER LET YOU GO」。マルコス(89)とモニカ(87)は夫婦で、アルゼンチンのブエノスアイレスにて65年間アパート暮らしをしています。モニカは2007年にアルツハイマーと診断され、それ以来マルコスは献身的な介護を続けているとのこと。(Alejandro Kirchuk、2009年)













2位の「BOLIVIANAS」。ボリビアで最も神聖な場所に集まったインディオの人々が、モラレス大統領の就任式のために自分自身を清めているところなど。(Pietro Paolini、2010年1月)













3位の「PASTORAL」。都市モスクワで暮らす人々が自然を楽しむために荒れ果てた郊外にいる様子など。(Alexander Gronsky、2010年7月)













選外佳作の「JASON & ELYSSA」。Jasonは恋人のJulie(36)が死んでいるのを午前3:45に発見しました。「パニックになりましたよ。彼女が生きていた時にさよならが言えませんでした」とJasonは語ります。彼もJulieと同じようにAIDSにかかっており、年間1万2000ドル(約96万円)の費用がかかるそうです。(Darcy Padilla、2011年4月26日)













◆「ポートレイト」の部:単写真

1位の「DANISH AND IRANIAN CULTURE」。27歳になるイラン出身の女優Mellica Mehrabanはデンマークで育ちましたが、2011年にイランでデビューしました。映画の撮影では政府によって、すべてのシーンでスカーフの着用が義務付けられたとのこと。(Laerke Posselt、2011年5月4日)


2位の「THE NEW AMAZONS」。21歳のInna Shevchenkoはウクライナのフェミニスト団体「FEMEN」のリーダーの一人。セックス目的の観光客に対して性差別問題などをトップレスで抗議しています。(Guillaume Herbaut、2011年10月13日)


3位の「TOKU KONNO」。東日本大震災の生存者のコンノトクさんは仙台のプラスチック製の仮設住宅に避難しました。(Denis Rouvre、2011年11月29日)


◆「ポートレイト」の部:組写真

1位の「INTERROGATION ROOM」。ウクライナにある尋問室の内部。(Donald Weber、2010年3月10日)














2位の「AFGHAN POLICE RECRUITS」。新しいアフガニスタンの警察は、国内にあるドイツ警察のトレーニングセンターで新人を募集しています。彼らは教育を受けていなく、文字が読めない農村部出身ですが、経済的な理由のために警察へ志願しているとのこと。(Ton Koene、2011年2月10日)













3位の「BURKE + NORFOLK」。カブールにある地雷探知センターでドイツ警察のメンバーが指導している様子など。(Simon Norfolk、2010年11年9日)











■肉眼で作品が見られる日本での「世界報道写真展2012」

これらの受賞作品は今年から来年にかけて世界45ヶ国で展覧会が実施される予定となっており、日本では6月~8月にかけて「世界報道写真展2012」として東京、大阪、京都、滋賀の順で開催されます。興味を持った人は是非足を運んでみてください。

【東京】
場所:東京都写真美術館(〒153-0062 東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内)
http://syabi.com/
期間:2012年6月9日(土)~8月5日(日)


【大阪】
場所:梅田HERBIS地下2階(〒530-0001 大阪市北区梅田2丁目5番25号)
http://www.herbis.jp/
期間:2012年8月8日(水)~8月16日(木)


【京都】
場所:立命館大学 国際平和ミュージアム(〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1)
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/er/wp-museum/index.html
期間:2012年9月20(木)~10月14日(日)


【滋賀】
場所:立命館大学 びわこ・くさつキャンパス(〒525-8577 滋賀県草津市野路東1丁目1-1)
http://www.ritsumei.jp/index_j.html
期間:2012年10月17(水)~11月1日(木)


<続き>
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