首都圏だけで482館、35年前にはこんなにも多くの映画館があった


映像ソフトや再生機器の普及を受け、家庭で手軽に映画を楽しめるようになったこともあって、シネマコンプレックスなどを除いて次々と消えてゆく感のある映画館ですが、今から35年前にはなんと首都圏だけで482館もあったことが明らかになりました。



これは1978年11月号と1981年5月22日号の「ぴあ」をベースに作成された首都圏の映画館データベース。かつて東京都内だけでも292館、神奈川や千葉・埼玉・茨城を合わせると482館あった映画館の館名や閉館日、名称の変遷などが記録としてリスト化されています。

ぴあ 1978年11月号・1981年5月22日号に掲載された映画館

データベースの一例。36館と最も数が多かった新宿で残っているのは新宿ミラノ1、2、3と新宿ピカデリー1、2、テアトル新宿、新宿武蔵野館に。なお、今では新宿バルト9や角川シネマ新宿などが新設されています。

17館を数えた日本の映画館発祥の地・浅草は軒並み閉館。

浅草からほど近い上野でも、上野オークラと上野特選劇場を残すのみとなっています。

そしてこの一覧で非常に興味深いのが都心部だけでなく、郊外を含むさまざまな場所に映画館があったという点。かつては五反田、大井町、高円寺、荻窪、江古田、府中、明大前、二子玉川、大森、赤羽、上尾、飯能、幸手、北千住、船橋などにも存在していたことが確認できます。

まだ家庭用ビデオデッキ(VHSの発売は1976年)すら本格的に普及しておらず、今のように見たい時に映画を気軽に楽しむことは難しい時代であったことを考えると、当時の人々の暮らしにおいて、映画館が欠かせない存在であったことがよく分かるこのデータベース。

「こんなところにも映画館があったんだ」という軽い驚きを楽しむこともできるため、一度覗いてみるのも良いのではないでしょうか。

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