HTCが株価10分の1・シェア2%の危機的状況に、幹部の相次ぐ退職や純損失計上も

世界初のAndroidスマートフォンを発売したことでも知られる台湾のスマートフォンメーカー、HTCが危機的状況に陥っていることが明らかになりました。


台湾HTCの最新機種で供給に支障、業績圧迫か | テクノロジーニュース | Reuters

ロイター通信社の報道によると、台湾のスマートフォンメーカー宏達国際電子(HTC)が今四半期に初の純損失計上となる可能性が高まったそうです。

これは同社の販売数が7月に37%、8月に45%落ち込むなど、同社のスマートフォンの販売不振が鮮明となる中、高評価を受けている小型版「HTC One」が設計上の問題からケースが不足しており、供給に支障が出ていることなどを受けたもの。

HTC executive exodus now includes Asia CEO | Mobile – CNET News

ちなみにHTCを取り巻く状況は非常に悪く、5月にはHTC AsiaのCEO(最高経営責任者)Lennard Hoornik氏が退職したほか、多くのユーザーに愛された「HTC Desire」シリーズや「HTC butterfly」「HTC One」など、同社の製品戦略を統括していた最高製品責任者の小寺康司氏も退社。

HTCが日本市場のニーズに合わせて投入した「HTC J butterfly HTL21(左)」「HTC J One HTL22(中央)」「HTC J ISW13HT(右)」の3機種。今後の端末戦略が気になるところです。

また、同時期に退職した製品戦略担当のEric Lin氏にいたっては、「HTCに残っているすべての友人に告げる。とにかく辞めて今すぐそこを離れろ。つらいことだが、そのほうが幸せになれると断言できる」「別の会社などに転職するからではなく、あの場所(HTC)に未練が無くなっただけだ」とコメントしており、内部で何かが起きていることを示唆していました。

Twitter / ericlin: To all my friends still at …

Twitter / ericlin: @PaulOBrien it’s not the …

混迷深める台湾HTC 逃げ出す役員、投資の空回り  :日本経済新聞

そして日本経済新聞社の報道では、HTCの株価は2011年末に1300台湾ドルまで暴騰したものの、現在は10分の1近くまで下落しており、スマートフォンのシェアも15%から2%へと縮小したことが明かされています。

さらに2012年1月~13年5月に退任した幹部は実に11人に上ることや、業績不振の背景に「Beats Audio」のBeats Electronicsなど、未公開企業への巨額投資があることも言及されています。

Apple・Samsungが隆盛を極め、Huaweiなどの中国メーカーが強みを見せる中、MotorolaがGoogle傘下、NOKIAがマイクロソフト傘下となり、Blackberryが身売りするなど、海外でも進む携帯電話メーカーの再編。

本格的なAndroidスマートフォン「Xperia X10」「HTC Desire」「Galaxy S」が相次いで発売された2010年からわずか数年でここまで市場が様変わりしてしまうと思わなかったユーザーも決して少なくないのではないでしょうか。

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