京都一との評判の名高い、山中に佇む「俺のラーメンあっぱれ屋」を1時間半待ちで食べてきました


全国屈指のラーメン激戦区、京都。しかしそのナンバーワンと名高い店は京都市内ではなく、とある山の中に佇んでいました。レポートします。

BUZZAP!編集部の位置する京都は幾多のラーメン屋が立ち並び、多くのラヲタが日々のラーメン生活を満喫する、いわばラーメンの都と言っても過言ではないほどのラーメン激戦区。

もちろん京都人は京都のことを死んでも「○○の都」などと呼ぶことはしません。ありとあらゆる意味で、名実ともに京都が都であることは明々白々の真理なのですから。

さて、そんな京都で最も美味しいラーメン屋はどこなのか?ますたに天天有第一旭といった老舗を挙げる人はもちろん、極鶏天一総本店のようなさらに重いこってり系を好む人、一三〇山崎麺二郎といったあっさりとした味に魅力を感じる人など、バリエーションが豊富すぎるために議論そのものを成り立たせることすら苦労します。

しかしそんな中でも、どんな人が話そうと、必ず名前が上がるラーメン屋の筆頭がこちらの「俺のラーメンあっぱれ屋」なのです。そしてこのラーメン屋があるのは京都府城陽市。ピンとこない人に説明すると、宇治市のさらに南です。

しかも俺のラーメンあっぱれ屋は、最寄りのJR奈良線山城青谷駅からさらにバスで30分弱かかる山の中にひっそりと佇んでいるのです。しかも営業時間は11:30から14:30までのランチ営業のみ、日曜祝日と第4土曜日が休みなので「京都観光のついでにちょっと食べに行く」というのはまず無理。朝からレンタカーを借りて食べに行き、帰りに平等院鳳凰堂を見るというのがせいぜい可能なプランと言えるでしょう。

さて、BUZZAP!取材班はとある冷たい雨の降る2月の土曜日に突撃を試みました。こんなところに本当にラーメン屋があるのか?この手の山の中にあるのは潰れかけた蕎麦屋か既に潰れたドライブインと相場が決まっているのではないか?そんな不安を抱きながら国道307号線を走ると、ありました。駐車場に車がみっしりと停まり、傘を差した行列の見えるラーメン屋が。

さすがに雨だし寒いし、少しは空いているのではないか、そんな期待を一撃で打ち砕く50人待ちの行列。開店30分前の11時に到着したのですが、同じように考えた人が多かったのか、それとも天候などに左右されるようなハンパなラーメンではないということなのか。期待が高まります。

並んでいる人の会話が漏れ聞こえてくるのですが、近所のカップルやグループ、家族連れらしき人はもちろん、遠くからやってきたラヲタらしき人もちらほら。場所が場所だけに自動車で来る人がほとんどなので、京都市内のラーメン屋とは若干雰囲気が違います。

雨は降ったりやんだり、時折冷たい風が吹き付けてきましたが、もちろんリタイアする人はいません。ようやく店の入り口にたどり着いた時点で1時間が経過していました。限定20食のスーパーつけめんは当然瞬殺されています。

店内はもちろん空調が効いていて快適。これまでの寒さがじんわりと和らぎ、期待が膨らみます。カウンターのみの18席を夫婦2人のみで切り盛りされているのですが、これがまさに神業。驚くほどスムーズに回転していきます。

壁にはここよりもさらに奈良寄りの木津川市にある名店、無鉄砲とのコラボレーション「無鉄っぱれ屋」を行った時の写真が飾られています。どれだけ並んだのかを考えると恐ろしいばかり。

こちらには食べログのベストラーメンに選ばれた際の賞状がずらりと並びます。

席に着く前にメニューを聞かれます。今回はこくまろ塩チャーシューメンと濁とろ塩チャーシューメンにしました。

ようやく着席したのは並びはじめから1時間半。なのですが、驚いたことに席についてコートを脱いで片付けた頃にはもう先ほどオーダーした麺が到着しました。席数と混雑からしばらく待つものと思っていたのでさすがにびっくりです。魔法のような接客と言うほかありません。

こちらがこくまろ塩チャーシューメン。魚介豚骨ということで、どの程度のこってり具合かと思っていたのですが、しっかりと豚骨の風味がありながらもひと口目から浮遊感のあるまろやかさがふわっと口の中に広がります。そのスープが自家製平打ち麺にしっかりと絡み、それでいてしつこさは一切感じさせないという絶妙な味わい。

どうしてこの山の中、冷たい雨の中でみんな1時間半も並ぶのか、そのすべてをひと口で全部分からせてくれると言えばその美味しさを少しは分かっていただけるでしょうか。評判のレアチャーシューはブラックペッパーがしっかりと効き、スープともしっかりと調和します。太く食べ応えのあるメンマのアクセントが飽きさせることなく食べ進ませてくれます。

次にこちらが濁とろ塩チャーシューメン。マニア向けという説明の通り、より豚骨のパンチが強く効かされています。こくまろの浮遊感に比べて、後からぐっと踏み込んでくるその重みはまさにマニア向け。それでいて平打ち麺をしっかり絡ませて食べ進めていてもゴテゴテした重さにはならないところは本当に脱帽です。当然のようにスープも完飲してしまいました。

ちなみにこのお店で唯一卓上に置かれている調味料がこのコショウオイル。粗挽きの黒コショウのオイル漬けなのですが、食べ進める途中に軽く垂らすと味がぴりっと際立ちます。入れすぎ注意ですし、最初から入れてしまうのももったいないところ。ぜひともこの味の変化も楽しんでほしいですね。

ということで、無事に俺のラーメンあっぱれ屋への初挑戦を終えました。これだけ遠く、そして長時間並ぶのにまたすぐに訪問したいと思わせるところがやはり名店たるゆえんなのでしょう。ごちそうさまでした。

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