芸術作品の現物を実際に目で見ることは何事にも代えがたい体験ですが、それでは不可能な鑑賞が可能になっています。詳細は以下から。
オランダの画家ヨハネス・フェルメールの最高傑作として知られる「真珠の耳飾りの少女」。フェルメールを知らなくとも、CMやパロディを含めて目にしたことがあるのではないでしょうか。
現在この絵は所蔵するオランダのマウリッツハイス美術館が貸し出しを中止しており、オランダまで行かなければ現物を見ることはできません。そしてこのコロナ禍でEUを訪れることが原則できなくなっており、日本人にとっては実際に目にすることは極めて困難な状況です。
そんな中で、マウリッツハイス美術館は3Dデジタルマイクロスコープを製造するHirox社と共同で、この「真珠の耳飾りの少女」を100億画素でスキャン、無料公開しています。
操作方法はGoogleマップのような感じと言えばだいたい伝わるでしょうか。作品を細部までズームしてじっくりと鑑賞することができます。
美術館で現物を前にしても絶対に寄れないレベルまで拡大できます
直でルーペを当てているレベルまでこのとおり極めて精密に写し取られています。
さらに、一部分ですが3Dでも鑑賞が可能です。
絵の具の立体的な盛り上がりまでもここまでくっきりと見ることができます。ちょっと火星の地表の拡大画像のようにも見えます。
ということで、混みあった美術館では絶対にできないほど近くから、好きなだけ時間を掛けてこの名画をじっくり鑑賞できるまたとない機会となっています。
先にも述べたように、それでも現物を直に見ることはそれ以外のどんな鑑賞とも異なります。ですが、このように鑑賞することで、その微妙な色遣いやタッチなどを学び取れることも事実。
これからの時代の新しい「展示」のあり方のひとつになってゆくかもしれません。
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