人類最古のサメの犠牲者、日本人だったことが明らかに


サメの襲撃で死亡する事件は現代でも報じられ、映画のジャンルのひとつにもなっています。

そんなサメの人類最古の犠牲者がこの日本で発見されていました。詳細は以下から。

岡山県笠岡市の津雲貝塚から、800近い傷のある人骨「Tsukumo No.24」が発見されたのは20世紀初頭のこと。ですがその際、傷の原因は不明のままとなっていました。

近年になって、オックスフォード大学のJ. Alyssa White氏とRick Schulting氏がこの人骨を再発見。

全身に790ヶ所を超える傷が手足から胸の前部、腹などに広がっていたことにふたりは驚かされました。傷は鋭く、歪曲しており、この時代の石器の形とは合わない奇妙なもので、右足と左手は消失。

この人物は津雲貝塚の墓地に、左足を身体の上に逆向きに置かれて埋葬されていました。

人間との衝突も考えにくく、傷の形がどの陸上動物の爪や牙とも違っていたため、ふたりはフロリダ自然史博物館に傷の照合を依頼。結果、サメの犠牲者であることが判明しました。

そこで分かったのは、Tsukumo No.24がサメの襲撃後に回収されていることから、仲間と一緒に漁をしていただろうということ。

また傷が骨にまで達しているため、大腿動脈が襲撃の早い段階で切断され、血液量減少性ショックでそのまま死亡したものと考えられます。

傷の形状から、襲ったのはイタチザメホホジロザメとされましたが、傷があまりに多く重なっており、これ以上の特定は困難。

さらにこの人物は死亡時に若年から中年の男性で、いわゆる縄文時代末期と呼ばれる紀元前1370年から1010年の間に生きていたとのことです。

今から3000年前、私たちの祖先であるこの漁師の男性はどのような人々と、どのような暮らしを育んでいたのでしょうか。

・関連記事
世界最大級のストーンサークル、四国の最果ての謎に満ちた巨石群「唐人駄場遺跡」 | Buzzap!

「青森がイエスならこっちはモーゼだ」石川県の果て感あふれる「モーゼの墓」を訪ねてみました | Buzzap!

これぞ自然の神秘、捕食者に胴体を食いちぎられて生き延びたヒラメが釣り上げられる | Buzzap!