旧約聖書の「ソドム」は隕石の爆発で焼き尽くされ滅んだ、最新研究で証拠を発見



悪徳や頽廃の象徴とされ、神に滅ぼされた街ソドム。旧約聖書の非常に有名なエピソードですが、このソドムのモデルとされる街が隕石によって滅んだ可能性が指摘されました。詳細は以下から。

ジャーナル「Nature Scientific Reports」に掲載された最新の論文によると、ソドムのモデルともされる死海に近いヨルダン渓谷南部の街「トルエルハマム(Tall el-Hammam)」が青銅器時代中期(紀元前1650年頃)に突如滅んだ原因は、隕石の爆発(エアバースト)だったとのこと。

この隕石は1908年のツングースカ大爆発を超える衝撃をもたらし、その破壊力は広島型原爆の1000倍にも及ぶとしています。

(Photo by Wikipedia

トルエルハマムは当時エルサレムの10倍、イェリコの5倍もの規模を持ち、1000年単位の歴史を持つこの地域の極めて重要な街でした。そのため何度も戦乱にあい、破壊されては再建され続けてきたことが分かっています。

ですが紀元前1650年頃の1.5mの地層からは、溶けてガラス状になった陶器片や、気泡の入った泥レンガ、一部が溶けた建材など、この当時の文明水準では考えられない異常な高温に曝された形跡が見つかっていました。

(Photo by Wikipedia

研究を主導したカリフォルニア大学サンタバーバラ校のJames Kennett名誉教授は、この場所が2000度以上の高温に曝された証拠を発見したと述べています。

Kennett名誉教授らの研究チームはかつて1万2800年前の隕石衝突が広範囲の火災や気候変動、動物の絶滅を引き起こしたことを発見しており、トルエルハマムの焦げたり溶けた物質がそうした隕石衝突の影響と酷似していると指摘。

Kennett名誉教授は問題の地層の土壌や堆積物を多方面から調査、小さな鉄分やシリカを豊富に含む小球体や溶けた金属を発見しました。特に、隕石衝突の際にできる特異な石英構造である衝撃石英がこの地層で発見されたことが、隕石の爆発があったとする大きな決め手となったとのこと。

ソドムが滅びた時には、神の言いつけに背いて振り向いたロトの妻が塩の柱となったとされていますが、この隕石爆発の影響が塩分を豊富に含む死海にも及び、大量の塩を一帯に降らせた可能性もあると指摘。

また旧約聖書では「主は硫黄と火とを主の所すなわち天からソドムとゴモラの上に降らせて」とされていますが、隕石の大爆発はまさにこうした記述をなぞるものとなっています。

(Photo by Wikipedia

古い伝承にはまだまだ知られざる真実が潜んでいるのかもしれません。

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