【サムソン高橋特別寄稿】LGBTだけじゃなく誰もが楽しめるお祭りになった東京レインボープライド2016写真日記 その3

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5月8日、快晴。パレード当日。昨日撮影した女装をパソコン上で加工して遊んだりしているうちに夜が明けてしまって、「もう今日のパレードはすっぽかすか~」とお布団に入ったと同時に知人の編集から「来ないと殺すわよ!」のメッセージ。仕方ない、と大便をした後に尻を拭くという最低限の身だしなみを整えて代々木公園に出発。

◆同性愛者はブラスバンド部出身率が高い?
嵐の中メイクがドロドロに溶け落ちた女装とともにグロテスクなパレードとかステキ、と期待してたが、昨日に輪をかけた雲一つない快晴でガッカリしながら会場に到着すると、プライドパレード恒例、全国のLGBTブラスバンド経験者がこの日だけ一堂に会する『みんなで、ブラス!』の音楽に迎えられていた。同性愛者のブラスバンド部出身率の高さはいったい何なのだろうか。

本日のステージの司会はオナン・スペルマーメイド嬢と小原タカキ氏。まるで『グレート・ギャツビー』の主人公みたいなふたり……

この日計5回お色直ししたオナン嬢の衣装はどれもこれもハイセンスだった

今日のステージトップバッターは恒例の『みんなで、ブラス!』。それにしてもホモはブラバン出身多い(俺も)。老若男女様々なので「あの子イケる」的な楽しみもできます。ぼくはオーボエの青デブ!

◆単純にお祭りとして楽しめるイベントになったゲイパレード
それにしても、これは天気だけではない。人の多さ、そのカラフルさ、ブースのにぎわいも昨日に輪をかけたもので、お祭り気分がいやおうにも盛り上がる。

日本のパレード以外では、私は、台北とパリのゲイパレードに行ったことがある。両方とも、ただのお祭り騒ぎだった。カラフルな女装やGOGOやハードゲイに混じって単に騒ぎたいだけのノンケの若者もたくさんいた。

それを見て、私は「日本のゲイパレードもこんなふうになればいいのに」と思ったのだ。

そのころの東京のゲイパレードは、揉めたり内紛が起きたり分裂したりビンタが炸裂したり2chで叩きスレが異様なスピードで進行したりと、まるでプロレス団体のような様相だった。はたから見物してる分にはある意味面白かったが、「パレードを成功させたい」と運営してきた当人たちは「こんなはずじゃなかったのに」と忸怩たる思いだっただろう。

一般社会にLGBTの存在を知らしめることが目的のイベントで、外部へと働きかけるべきエネルギーが内へと向かってしまい、乱反射して、自己崩壊してしまう。これはすべての「運動」にありがちな初歩のつまづきである。そんなややこしいことじゃなくて、単にホモやレズやオカマや変態が一緒に組織を作るのはめんどくさいことだったのかもしれない。

そこから一歩踏み出すためにはどうすればいいかと考えた時、パリや台北のパレードのように単純にお祭りとしてもっと楽しくて敷居が低いものになればいい、と思ったのである。誰もが何も考えずに参加できて、楽しい思い出しか残さないお祭り。もちろんそれは誰もがこのイベントに望んでるものであり、部外者が簡単に言うように物事は進まないものだろう。

しかし試行錯誤を繰り返して、東京レインボープライドはその「誰もが何も考えずに参加できて、楽しい思い出しか残さないお祭り」になりつつあるようだ。

左の方はパートナーシップ法されてるIBM社員という幸せなイケメンリア充。心の中で巨大な舌打ちをしました

女装続きの瞳に麗しい新宿エイサー新虹。数日間にわたって摂取してきたマカが今頃効いてきました!ぼくのバチも握って!


会場もブースもまだ早い時間なのににぎやか

大阪のなんもり法律事務所を経営されてる弁護士夫夫の南和行さんと吉田昌史さんも自書のブースでいらしてました。ここには書けないナイス発言いただきました

浮かれた雰囲気でも忘れてはいけないHIV問題

長年HIV啓蒙活動を続けている生島嗣氏。アー写に使ってください!

LGBTの未来と老後を考える活動を地道に続けている永易至文氏。露出オーバーでアイドルっぽく撮ってみた(無駄な試み)

タイ発の世界的人気のメンズ下着Groovin’

資生堂のブースではメイク教室も

フィリップスのブースを飾ってたイケメンたちだが、白人さんの日焼けが心配……

トップスポンサーのチェリオのキャンギャル+一匹

あちこちで写真撮影。こちらは電通のアライセンス。ユーミンは荒井時代に限るよね!というライセンス(ババアのオカマの証明)

写真OKだけ聞いたんでこの子たちがアライ(LGBTなど性的マイノリティを理解し支援する立場の人)かビアンかバイかはわかりませんが、この楽しそうな笑顔だけですべてはオッケーなんじゃないでしょうか

新宿二丁目振興会・老舗ゲイバーBaseのマスターToshiさん。この写真をうっかり私のツイッターにあげたら「ちょうかわいい」という意見が殺到して不愉快になりました

同性婚のシミュレーションというかデモンストレーションも行われてました。それにしても絵になるふたりだな



パレードフロートの呼び込み

いい笑顔。失礼ながらテレビ塔が名古屋のシンボルだということを初めて知りました。コロナクラブだと思ってたのに

各国観光局のブースもあったんだけど、北欧ブースで今回トム・オブ・フィンランドがフィンランド出身だということを初めて知った。とちおとめが栃木産よりわかりやすいのに、なんで私は長年アメリカのアーティストだと思ってたのか

うまそうな屋台。しかし貧乏な私は飯はぜんぶ近くのデイリーヤマザキですませました

本日のベストフォトジェニック女装

◆いよいよパレード開始、これからはタイミングに注意
昨日とは比べ物にならないにぎやかさの中、ブースや屋台を冷やかし女装を撮影しイケメンをストーキングしつつ、本日のメインイベントであるパレードの時を待つ。以前取材したときは会場にいる人が急に少なくなったらパレードが始まった合図だったのだ。

しかし私のその認識は、立派なイベントになった今年のレインボープライドにおいてはあまりにもふんわりしすぎていた。人混みの中、運営委員のひとりに声をかけられる。

「パレードには行かれないんですか?」
「えっ、もう始まってるの?」
「もう五台目のフロートが出発したところですよ」

ギャーーーー!!!!!

これからフロートに出陣するキテレツな人たちが! 秘密の森で色とりどりのキノコを見つけた気分!(全部毒キノコ)

ステージ裏の女装を見るなんて、禁断の果実をかじっている気分……綾鷹を持ってる女装界の重鎮hossyさん、プレシャス!

みんな輝いてたよ!目に痛いレベルで!






コレステロールタクヤ氏も

来年のレインボープライドのための募金。寄付するとキテレツな人たちと一緒に写真が撮れるといううれしい特典が。








(文/写真 サムソン高橋)

・サムソン高橋(@samsontakahashi)
ゲイ雑誌「SAMSON」編集部出身のゲイライター。ゲイ雑誌「G-men」などで世界のハッテン場を探訪したコラム「ALWAYS UNPROUD」などを連載後、同じくSAMSON出身でG-menでも連載していた漫画家・熊田プウ助と「世界一周ホモのたび」シリーズ(ぶんか社)などを刊行中。

世界一周ホモのたび 狂
世界一周ホモのたび 狂
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サムソン高橋 熊田 プウ助
ぶんか社

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