一般的な家庭向け光ファイバーの通信速度(100Mbps)に匹敵する次世代高速モバイル通信に対応したスマートフォンや、ハイビジョン画質の動画配信サービスなどが急速に普及する中で、やはり問題となるのが爆増する通信量。
モバイル回線が逼迫しつつあることは周知の通りですが、バックボーンとなる固定回線も決して例外ではなく、1本の光ファイバーで伝送できるデータ量の限界が近づきつつある中、KDDIがその対応策となる技術「マルチコア光ファイバー」を開発しています。
ワイヤレスジャパン2013のKDDI研究所ブースでは、現行のシングルコア光ファイバーを発展させた「マルチコア光ファイバー」が展示されています。
マルチコア光ファイバーの概要。1本の光ファイバーに7つのコアを搭載することで、現行システムの30倍となる28.8Tbps(毎秒3.6TB、Blu-rayディスク144枚分)の通信速度と6160kmの伝送距離を実現しています。
なお、光ファイバーを通るデータ量は毎年約1.4倍のペースで増加中。5~6年後には今の7倍以上になるとされており、1本の光ファイバーで運べるデータ量の限界が近づきつつあるとのこと。
これがマルチコア光ファイバーの実物とその母材。
顕微鏡で覗くと7つコアがあるのが分かります。
ちなみにNTTドコモは2015年に現行のLTEをさらに発展させた「LTE-Advanced」を展開予定。規格上の通信速度は下り1Gbpsを超えるとされますが、実現にあたってはバックボーンの強化が必要不可欠です。
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