従来より安価で低消費電力な国産スマートフォンが登場へ、脱クアルコムで日本勢巻き返しか

従来よりも消費電力が低く、安価な国産スマートフォンが登場する見通しであることが明らかになりました。

スマホ新型半導体で世界攻略を 富士通、NEC、ドコモが来年6月に市場投入 (1/2ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)

産経新聞社の報道によると、富士通とNEC、NTTドコモが共同開発中のスマートフォン向け新型半導体を2013年6月に市場投入する方針を明らかにしたそうです。

これは今年8月にNTTドコモと富士通、NEC、富士通セミコンダクターの4社が設立した合弁会社「アクセスネットワークテクノロジ」が開発中のLTEモデム機能を備えた小型・省電力の「通信制御プロセッサ」が製品化されることを受けたもので、富士通の2013年秋モデルスマートフォンなどに搭載予定。

現在、スマートフォン向け半導体ではCPUに該当する「アプリケーションプロセッサ」およびモデムに該当する「通信制御プロセッサ」の両方でクアルコムが圧倒的なシェアを握っていますが、アクセスネットワークテクノロジが開発中の新型通信制御プロセッサはクアルコムの既存モデルより消費電力を2割削減することが可能とのこと。

クアルコムのアプリケーションプロセッサ「APQ8064(1.5GHz、クアッドコア)」および通信制御プロセッサ「MDM9615」を搭載した「HTC J butterfly」。

さらにクアルコムは販売数の少ないメーカーに対して値引き交渉に応じることが無く、国内メーカーは不利な立場に立たされるなど、まさに生殺与奪を握られているのが現状ですが、新型通信制御プロセッサはクアルコム製よりも安価になり、端末メーカーのコスト削減に寄与するされています。

あくまでに通信制御プロセッサのみの話であり、アプリケーションプロセッサ部分は別のメーカーに頼るしかないわけですが、NVIDIAの「Tegra」シリーズなどと組み合わせれば「クアルコム以外」の選択肢も生まれるため、今年の夏に日本メーカー各社を襲った深刻なプロセッサ不足などのリスクを回避できるようになるという点においても、大きな意味を持つこととなりそうです。

NVIDIAのアプリケーションプロセッサ「Tegra 3(クアッドコア、1.5GHz)」を搭載し、発熱問題もほぼ解消した富士通の「ARROWS V F-04E」。なお、次世代Tegraプロセッサもモデム機能を内蔵しないとみられています。

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