KDDIがiPhone 5向けに提供している2.1GHz帯のLTEを下り最大100Mbpsに引き上げ、2013年夏モデルからAndroidスマートフォンにも開放します。
今回2.1GHz帯のau 4G LTEで下り最大100Mbpsの通信サービスを利用できるようになるのは、iPhone 5と2013年夏モデルとして発表されたAndroidスマートフォン各機種。
これによりAndroidスマートフォンでは従来から展開されている、つながりやすい800MHz帯のプラチナバンドや1.5GHz帯のLTEに加え、112.5Mbpsへの増速が行われる2.1GHz帯のLTEも利用できるようになります。
なお、KDDIの2.1GHz帯を用いたLTEは半径数メートルから数十メートルをカバーでき、人口密集地できめ細かなエリア整備が可能になる超小型基地局「LTEピコセル基地局」などを用いて整備中。1つの基地局が抱えるユーザー数を減らせれば、通信速度の向上を期待できます。
1台の基地局がカバーできるエリアが広い800MHz帯、そして速度アップが期待される2.1GHz帯のLTEを使えるようになることで、より快適な通信を期待できそうな今回の施策。しかし2.1GHz帯の開放はユーザーの増加を招き、同周波数帯をiPhone専用として後生大事に抱えているソフトバンクよりもiPhone 5の通信速度で引けを取ってしまうことになるわけです。
自ら不利になるようなことをするKDDIの意図が気になるところですが、そのヒントとなりそうなのが、いずれ発表されるであろうAppleの新型スマートフォン「iPhone 5S」。仮にiPhone 5Sが2.1GHz帯のみに対応していたiPhone 5と異なり、800MHz帯のLTEにも対応することが決まっているのであれば、今回の施策はいずれiPhone向けに800MHz帯が開放されることを踏まえた措置なのかもしれません。
・12:49追記
「4G LTE」で受信最大100Mbpsの高速データ通信サービス提供開始 | 2013年 | KDDI株式会社
なお、下り最大100Mbpsのau 4G LTEは四国の一部エリアより提供開始し、2013年6月以降順次全国に拡大していく予定。2013年夏モデルを含む現行機種は「UE Category 3」対応のため、下り最大100Mbpsとなりますが、ネットワーク側は15MHz幅を使っているため、112.5Mbpsに対応。「UE Category 4」に対応する秋冬モデル以降でさらなる増速が望めます。
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