「au 4G LTE」エリアをきめ細かく整備、これが世界初の「LTEピコセル基地局」



iPhone 5の発売に合わせて次世代高速通信サービス「au 4G LTE」をスタートさせたKDDI。

今後は2.1GHz帯だけでなく、1.5GHz帯および「プラチナバンド」こと800MHz帯でもLTEサービスを展開するわけですが、エリアをきめ細かく整備するために世界初の「LTEピコセル基地局」を導入するそうです。詳細は以下の通り。



KDDIがエリア改善に利用している、ユーザーのトラフィック(通信量)が増大しているエリアを実際の地図と合わせて可視化できる「トラフィックマップ」。駅周辺や商業施設などのスポットは通信が混雑しやすく、基地局同士の干渉も起きかねないため、ただ単純に基地局を増やすだけではつながりやすいエリアを作る事は不可能ですが……


半径数メートルから数十メートルをカバーできる小型基地局「LTEピコセル基地局」を世界で初めて導入することで、きめ細かなエリア整備が可能に。ちなみに「ピコセル」は家庭や店舗に用いられる超小型基地局「フェムトセル」の上位版と考えると分かりやすいかもしれません。


「LTEピコセル基地局」本体。480mm×260mm×126mm、重量約10kgの小型ボディであるため、ユーザーのエリアへの要望に素早く対応可能。主要なランドマークや交通機関、地下鉄、商業ビルなどへの設置が期待されています。


また、KDDIは基地局側がユーザーへの電波の届き具合を判断してエリアを自動調節し、エリアの境目などの通信が途切れやすいところで途切れないようにできる新技術「SON(Self Organizing Network)」をLTEに導入。


さらにスマートフォンが3GやWi-Fi、LTEの通信品質を自動でチェックして、ユーザーが「つながりにくい」と感じているところの改善につなげる「エリア品質自動送信機能」を2012年度中にスマートフォンに対応させるなど、独自のアプローチを実施しています。


ほかにも電波状況を判断してLTEと3Gを迅速に切り替える技術の採用や、通常のLTE端末が3GとLTEの両方の電波をチェックするのに対して、LTEエリア内ではLTEのみの電波をチェックさせるようにすることで待ち受け時間の大幅アップを実現。


このようにLTEの使い勝手を良くすべく「足回り」を整えているKDDIですが、これらの努力はユーザーが今後LTEへと移行していくにつれて実を結ぶこととなりそうです。

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