あと10年?あの「光学迷彩」がいよいよ現実のものに


Photo by Dr. Azzacov

SF好きなら一度は憧れるであろう光学迷彩。10年以内に実用化される可能性が出てきました。詳細は以下から。

透明人間になる。これは昔話にも出てくる程、人間にとっては憧れです。しかし実際に透明になろうとしても簡単なことではありません。ミクロレベルでは徐々に研究が進んできましたが、人間のような大きなものを隠せる「光学迷彩」レベルの技術がようやく現実に近づいてきました。

「人間にものが見える」ということは、ものが光を受けて反射させ、そのものの形が浮かび上がるということ。反射された光を人間の目が捉えて脳で視覚情報に変換されます。この仕組はマイクロウェーブなどとレーダーでも同様です。

いわゆる光学迷彩はその光を特別な素材で目やレーダーをごまかすもの。これまでは非常に小さな物体にしか使用できなかったものが、今回の研究ではより大きなものへと応用ができるとのこと。

あらたな光学迷彩の素材は非常に薄く、36マイクロメートル立方の立体物を可視光線を完全に跳ね返すことで隠すことができます。これ自体、今までできなかった技術なのですが、大切なのはこの素材はより大きなものを隠すためにスケールアップが可能ということ。

ただし、現在はこの技術が使えるのは730ナノメートルの周波数帯のみ。これは赤外線に近いスペクトルに相当しています。この時点でもレーダーなどによる探知をくぐり抜けることはできそうですが、すべての可視光線にまでこの効果が発揮され、人間の目から見えなくなるためにはもう少し技術の発展が必要です。

この技術はもちろんステルス機などの軍事用への適用がすぐに思いつきます。攻殻機動隊のような形での使用も遠い未来の話では無さそうです。

An ultrathin invisibility skin cloak for visible light

Ten Years On, Invisibility Cloaks Are Close To Becoming A Manufacturable Reality IFLScience

(Photo by Dr. Azzacov


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