「値下げ」に沸く携帯料金、支払額が変わらないどころか上がる可能性もあることが明らかに

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政府主導で進められる携帯電話料金の「値下げ」議論。

家庭に占める支出の中で、多くの割合を占めるようになってきただけに、値下がりに期待する人はそれなりにいるかと思われますが、残念ながら支払額が変わることはありません。詳細は以下から。

これは10月19日(月)に総務省で開催された第1回「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」で配布された、「我が国の携帯電話料金の課題と解決の方向性」という資料。


携帯電話の料金および販売の現状。世帯あたりの契約数が年々増加し、2012年に世帯人員普及率100%を突破してもなお、増加を続けています。


保有台数が増加する中、ガラケーからスマホへの移行や携帯電話会社の決済システムを用いたサービスの利用増によって、政府主導の値下げ議論で槍玉に上がっている「携帯電話関連の支出」が増加しているのが現状です。


実は世界的に見て、決して高いわけではない日本の携帯電話の料金。1GBにも満たない、月間100~250MBしか利用しないユーザーの通信料金が割高であることが、問題視されています。


同時に問題視されているのが、大手3社がiPhoneを扱うようになるなどした結果、携帯各社の同質化(土管化)が進み、「端末実質0円、一括0円」といった過度な端末安売り競争が繰り広げられていること。


これにより販売奨励金やキャッシュバックが増加したほか一定期間経過後に有料化し、解約し忘れると過剰な支払いを求められるオプションの抱き合わせ販売なども横行する事態に。

「新しいiPhoneを買いに行った家族が、なぜか写真立てと子ども向け端末とモバイルルーターを持って帰ってきて、あげくに今まで使ってたスマホには新しいSIMカード(従量課金制)が挿さっていた」という話を聞いたことがある人はいるのではないでしょうか。


一方で諸外国。イギリスでは端末の初期費用に応じて料金プランがパッケージされ、アメリカでは端末と回線の分離が進行したシンプルな仕組みが導入されています。



……と、ここまでは日本の携帯電話市場の課題の話ですが、問題となるのがここで提示されている解決の方向性。

以下の資料では「携帯電話料金全体の値下げという話ではない ユーザー間の行きすぎた不公平性の是正がポイント」と銘打たれ、今回行われている議論が、そもそも携帯電話料金を下げるためのものでないことが明示されています。

その中で特に問題視されているのが、MNP利用者に対する販売奨励金。MVNOの普及をも阻害するものであるとした上で、奨励金を「適正化」した削減分を原資に、データライトユーザー向けプランを新設するのが妥当だとしています。



つまり大手携帯各社のMNP利用者に対する販売奨励金を「適正化」という名目で縛り、端末代の値引きを無くした分を、ライトユーザーや長期利用ユーザーに付け替えるだけで、本当の意味での「値下げ」は行われないというのが、今回進められている議論の本当のところなわけです。

実際、上記の資料が提示した方向通りに議論は進められており、携帯各社はライトユーザー向けに1GBプランの新設を検討しているほか、携帯電話本体の「一括0円」「実質0円」が排除される方向性が提示されています。

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大手新聞社などによってさも携帯電話の料金が値下がりするような内容で報じられていますが、多くの利用者にとって実質料金が変わらないどころか、端末の代金が上がった分、ヘビーユーザーにとっては負担増になるのでは……とすら思われる今回の議論。

急速に成長する格安スマホ市場のことを考えれば、そう遠くないうちに「サポートやフルサービスよりも料金の安さを優先したいならMVNO」「手厚いサポートやフルサービスを受けたいなら大手3社」といった棲み分けが生まれるであろうことを考えると、本当にこれでいいのか?と思わざるを得ません。

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