楽天トラベルに旅館が抗議、キャンセル料徴収や不正利用の損失を宿泊施設に負担させる


ホテル・旅館の宿泊予約を受け付ける大手サイト「楽天トラベル」に掲載されている宿泊施設が、楽天側の施策に対する抗議として予約受付を一時停止したことが明らかになりました。



奥津温泉 名泉鍵湯 奥津荘 予約受付一時停止のご案内 【楽天トラベル】

楽天トラベルで4.71の高評価を獲得している岡山県・奥津温泉の「名泉鍵湯 奥津荘」のページによると、システム変更による抗議のために楽天トラベル経由での予約受付を一時停止しているそうです。

奥津荘が指摘する、楽天トラベルのシステム変更の問題点は「事後カード決済の導入」「クレジットカードの不正利用対策」の2つ。

◆事後カード決済の導入
楽天トラベルのシステム変更に伴い、新たに導入された「事後カード決済」。これはチェックアウト翌日に自動決済するものですが、同サービスでは当日以前のキャンセル料徴収について宿泊施設のみがその責任を負うこととなり、奥津荘は楽天トラベルと宿泊施設の間で著しく負担の公平性を欠くものと指摘。

横行するキャンセル料の踏み倒しを助長するばかりか、楽天トラベルでの会員獲得、売上増加を図るなど、道徳上看過できないことだとしています。

◆クレジットカードの不正利用対策
楽天グループでのクレジットカード決済制度には、「セキュリティコード」や「3Dセキュア」といったカードの不正利用対策が導入されていませんが、楽天トラベルでは不正利用があった場合の損失補てんの原資を宿泊施設に負担させようと計画。

負担の根拠となる不正利用事件の発生数なども一切開示されておらず、奥津荘は安全対策も怠ったまま負担を請求することについても強く抗議しています。

旬刊旅行新聞 - 取消料徴収の仕組みを、事後カード決済問題を協議

なお、事後カード決済問題については楽天トラベルと業界団体・全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会が5月に開いた協議において、楽天側が「事後決済サービスにおいても今後キャンセル料を徴収する仕組みを作る方針である」と回答。しかし奥津荘がこのような抗議活動に踏み切ったことを考えると、いまだに対策は導入されていないようです。

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