ソフトバンクWi-Fiスポットが「移動中Wi-Fi接続制御技術」や5GHz帯対応へ、40万ヵ所に拡大も



ソフトバンクモバイルの公衆無線LANサービス「ソフトバンクWi-Fiスポット」がアップデートされることが明らかになりました。

混雑の少ない5GHz帯対応や3Gなどからの切り替え時間を大幅短縮するEAP-SIM認証の導入など、KDDIが「au Wi-Fi SPOT」向けに先だって導入している技術をサポートするほか、新開発の「移動中Wi-Fi接続制御技術」を導入するとしています。



「ソフトバンクWi-Fiスポット」の利便性向上に向けた取り組みについて | ソフトバンクモバイル株式会社

ソフトバンクモバイルのプレスリリースによると、同社は2012年11月29日現在で全国35万ヵ所以上に展開している「ソフトバンクWi-Fiスポット」をより快適に利用できるよう、端末やモバイルネットワークに以下のような改善を順次展開しているそうです。

◆「EAP-SIM認証」の導入
接続までの時間が7秒~10秒程度必要だった従来のウェブ経由の認証に対して、2~3秒程度で接続できるようになり、接続時間の大幅な改善が実現できるEAP-SIM認証を導入。これにより接続時間を短縮できるだけでなく、WPA2エンタープライズの業界最高水準のセキュリティーレベルを実現しています。

◆移動中Wi-Fi接続制御
スマートフォンなどに搭載された加速度センサーなどを用いて状態を検知し、車などでの移動中に不要なWi-Fiに接続しないように制御する「移動中Wi-Fi接続制御(特許出願中)」を搭載。

◆5GHz帯への対応
従来の2.4GHz帯に加え、5GHz帯への対応を急ピッチで進めており、11月末現在で約14万ヵ所のアクセスポイントが5GHz帯に対応する予定。また、2013年3月末までには40万ヵ所になるとのこと。

◆携帯電話回線(3Gや4G/4G LTEなど)とWi-Fiネットワークの切り替え時間短縮
端末側で無線LANの受信感度を監視して接続を制御したり、アクセスポイントが電波環境を把握し、端末との接続を制御(特許出願中)するなどの対策により、スムーズな切り替えとウェブアクセスを可能に。また、3Gや4GからWi-Fiネットワークに切り替える際に発生していた無通信時間を解消する機能も搭載。

◆Wi-Fi接続最適化のための継続的な改善
Wi-Fi接続の環境変化に合わせて「ソフトバンクWi-Fiスポット」を快適に利用できるよう、自動的にWi-Fi接続に関する動作を最適化する機能を搭載。

移動状況を把握した上でアクセスポイントに接続しないようにする機能はなかなか興味深いものがありますが、少し気になるのが特許出願中の「端末側で無線LANの受信感度を監視して接続を制御したり、アクセスポイントが電波環境を把握し、端末との接続を制御する」という技術。

基地局側が電波感度を把握して端末との接続を制御するというのは、KDDIがLTEに導入したという新技術「SON(Self Organizing Network)」に近いものであると思われますが、これはSONのWi-Fi版ということなのでしょうか。

また、5GHz帯対応のWi-Fiスポットが2012年度末までに40万ヵ所に拡大されるという話ですが、すでに20万ヵ所以上の5GHz対応スポットを敷設しているKDDIと合わせて、以前一部で懸念されていたアクセスポイントの乱造・干渉による通信の混雑を2.4GHz帯だけでなく、5GHz帯でも引き起こしかねないという問題が再燃する可能性も考えられます。

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