なかなか強烈なブーメランとなっています。詳細は以下から。
◆「ファーウェイがひそかに携帯通信網にアクセス」と米当局者が指摘
ウォールストリートジャーナル紙が米当局者の話として、中国のファーウェイがいわゆる「バックドア」を使って世界中の携帯電話ネットワークにひそかにアクセスすることが可能になっていると伝えてます。
米当局者らは過去10年以上にわたってファーウェイが秘密裏にこうしたアクセスを行うことが可能だったと指摘。これまでこの事実を機密としてきましたが、2019年末に英国やドイツなどの友好国この情報を開示したとのこと。
オブライエン米大統領補佐官は「われわれはファーウェイが世界中で販売しメンテナンスを手掛ける情報システム内で、個人情報やセンシティブな情報にひそかにアクセスできる状況にある証拠を握っている」と発言しています。
米当局は本件についての明確な証拠は提示していないものの、米政府は友好国に対してファーウェイ製機器を使用しないよう呼びかけています。
現時点では米当局は証拠はあるとしながらも明示せず、その状態で使用しないよう友好国に呼び掛けていることになり、ファーウェイ側としては「濡れ衣」状態とも言えます。
◆「機密通信を秘密裏に入手していた」のは実は米CIAでした
一方で、スイスの暗号機器メーカーをアメリカとドイツの情報機関が長年ひそかに所有して、このメーカーの機器を使用した国々の機密通信を秘密裏に入手していたことが暴露されました。
この報道は米ワシントンポスト紙、ドイツ放送局ZDF、スイス放送局SRFの3社によるもので、CIAが「世紀の情報クーデーター」と呼んだ過去の作戦に関する内部機密情報を入手したとのことです。
これは米中央情報局(CIA)と独連邦情報局(BND)で働くスパイらが、冷戦時代から2000年代まで、120カ国以上に暗号機器を供給したスイスのクリプト社の機器に仕掛けを施し、イラン、インド、パキスタンなどを含む各国の暗号を解読していたというもの。
クリプト社は1970年代にアメリカと西ドイツ(当時)が買収し、採用や技術開発、販売方針など、ほぼすべての企業活動を管理していました。
自分たちがやってきたことを「敵」もやっていると考えるのは人類の常なのかもしれませんが、特大のブーメランが突き刺さったことになります。
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