ファーウェイがスマホ製造不能に、アメリカの制裁強化でTSMCが半導体の新規受注停止


昨年12月にBuzzap!でお伝えした記事が現実のものとなりました。詳細は以下から。

日本経済新聞社の報道によると、半導体受託生産の世界最大手「TSMC(台湾積体電路製造)」がHuaweiからの新規受注を止めたそうです。

TSMCはHuaweiのスマホ向けプロセッサ「Kirin」シリーズやクアルコムのSnapdragon、iPhoneやiPadのApple Aシリーズといった半導体を受注しているメーカー。

すでに受注しているプロセッサについては9月中旬まで通常通り出荷できる一方、それ以外は輸出に際してアメリカの許可が必要になるとのこと。

背景にはアメリカが以下のように規制を強化したことが挙げられています。

・従来の規制
アメリカの知財や部品が25%以下であれば規制の対象外

・新たな規制
25%以下であってもアメリカの製造装置を使っていれば規制の対象に

ちなみに昨年12月にBuzzap!でアメリカがHuaweiへの規制を強化するためにTSMCをターゲットにしていることをお伝えした際、浮上した規制内容は「アメリカの知財や部品が10%以上含まれているもの」が対象でした。

しかし先日発表された強化案はそれをさらに上回る内容で、Huaweiの息の根を止めることを強く意識したものです。

5Gの標準仕様策定に大きく寄与し、数多く保有する特許のライセンスについて「FRAND(公平、妥当かつ差別のないライセンス)」原則を保持することを以下のように表明しているHuaweiに対するやり口の妥当性が問われる部分ではあります。

ファーウェイは引き続き標準化の過程で革新的なテクノロジーを推進していきますが、他社や社会全体から不当な利益を得るようなことは決してありません。

なお、Huaweiには中国の半導体メーカー・SMIC(Semiconductor Manufacturing International Corporation)からプロセッサを調達する選択肢が残されているものの、14nmプロセスで微細化が進んでいないのがネック。

5nmや7nmプロセスを採用した最先端のプロセッサに処理能力や消費電力効率で引けを取ってしまうため、ハイエンドスマホ分野で大きく後れを取ることとなりそうです。

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