iPhoneをはじめ各社の武器を次々獲得、「選べる自由」を実現したauのスマートフォン戦略まとめ


昨年10月、長らく続いたソフトバンクの独占を崩して「iPhone 4S」の販売に踏みきり、多くの人々に非常に大きなインパクトを与えたKDDIのau。

その熱も冷めやらぬ中、本日行われた2012年春モデル発表会では、NTTドコモが「iPhoneキラー」の主力端末として販売しているGalaxyシリーズがラインナップに加わることが明かされました。「未来は選べる」「あたらしい自由。」といったキャッチコピーのもと、自社の主力商品を充実させつつ、他社の主力製品を自社のラインナップに加えることに成功してきたauですが、その戦略をまとめてみました。

詳細は以下から。



◆田中新社長のもと、「Android au」を打ち出したau
2010年12月にKDDIの社長交代が行われ、田中孝司新社長の元で再スタートを切ったau。競合各社がiPhoneやXperiaといったスマートフォンの販売に乗り出す中、「スマートフォンはまだ早い」という消極姿勢を打ち出していた" target="_blank">「スマートフォンはまだ早い」という消極姿勢を打ち出していたそれまでとは打って変わって、世界的人気を誇るレディ・ガガをCMキャラクターに起用し、「Android au」のキャッチコピーでワンセグ・赤外線通信・おサイフケータイといった日本人向けの機能を盛り込んだ「IS03」を発売。同モデルは事前購入宣言を行ったユーザーが20万人近くにおよぶなど、高い人気を得ました。

◆スマートフォン市場の先駆者、HTCからWiMAX対応のAndroidスマートフォンを調達
世界初のAndroidスマートフォン「G1」の発売にこぎ着けるなど、同市場の先駆者的存在でもあるHTCから、KDDI子会社のUQコミュニケーションズが展開する下り最大40Mbpsの高速通信サービス「モバイルWiMAX」に対応したスマートフォン「HTC EVO WiMAX ISW11HT」を2011年春モデルとして調達。

無線LAN対応機器をインターネット接続できる「テザリング」を大手携帯電話会社で初めて追加料金不要で利用可能にした「HTC EVO WiMAX ISW11HT」。なお、HTCは「HTC Desire Softbank X06HT(2010年4月発売)」にみられるように、従来はソフトバンクモバイルにハイスペックモデル、イー・モバイルを中心にミドルレンジモデルのAndroidスマートフォンを供給していましたが、新たにauが獲得した形になります。

◆NTTドコモの人気スマートフォン「Xperia」を獲得、他社と一線を画す個性派モデルも
NTTドコモがiPhone対抗端末として販売していたソニー・エリクソンの「Xperia」シリーズの最新モデル「Xperia acro IS11S」を2011年夏モデルとして投入。同モデルはワンセグやおサイフケータイといった日本向け機能に対応したことや完成度の高さ、そしてNTTドコモ版と併売されたことで対応アクセサリーが充実したこともあって、ヒット端末となりました。

さらにニューヨーク近代美術館収蔵品として選定されるなど、デザイン面での評価が高い「INFOBAR」をベースにした「INFOBAR A01」や、耐衝撃・耐水・防塵・対降雨・防振・対煙害・対直射日光を実現した「G'z One IS11CA」など、他社とは一線を画したauならではの個性派スマートフォンもラインナップされています。

◆無料のWi-Fiスポットを導入、WiMAX回線の活用も
スマートフォンの普及によって、3G回線のトラフィック増が懸念されますが、2011年6月から無料で利用できる公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」を展開。

無線LANスポットサービスを展開するワイヤ・アンド・ワイヤレスを子会社化し、UQコミュニケーションズが提供するモバイルWiMAXなどを組み合わせて、2011年度末までに全国10万ヵ所を目指して現在ネットワークを構築中。無線LANスポットサービスは他社が先行していましたが、「au Wi-Fi SPOT」は面倒なIDやパスの設定が不要で3G回線と自動切り替えできるのがポイント。

また、本日行われた2012年春モデル発表会において、「au Wi-Fi SPOT」が手持ちのパソコンやタブレットでも無料で利用できるようになることが告知されました。

まさに英断、KDDIが「au Wi-Fi SPOT」を手持ちのパソコンやタブレットでも無料で利用可能に

◆世界初の「Windows Phone 7.5」スマートフォンを発売、「Android au」から大きく転換
マイクロソフトのスマートフォン向け最新OS「Windows Phone 7.5(Mango)」を採用した世界初のスマートフォン「Windows Phone IS12T」を2011年7月に発表。

AppleのiPhone同様、携帯電話会社側が提供する独自サービスを組み込めないなど、Windows Phoneには携帯電話会社へのメリットが薄い部分がありますが、田中社長は発表会において「選ぶのはユーザーである」とした上で、Androidだけではいけないという考えを明かしています。

◆WiMAX対応スマートフォンが続々登場、「未来は選べる」が新たなキャッチコピーに
2011年9月に開かれた2011年秋冬モデル発表会では、高速通信「モバイルWiMAX」に対応し、デュアルコアCPUを搭載することでサクサク動作する「HTC EVO 3D ISW12HT」や「MOTOROLA PHOTON ISW11M」「ARROWS Z ISW11F」などの機種を発表。「au版iPhone」発売報道で世間が沸き立つ中、「未来は選べる」というフレーズが新たなキャッチコピーとなりました。

専用ドックとドッキングすることで「どこでもPC」を実現するなど、ユニークなスマートフォン「MOTOROLA PHOTON ISW11M」をリリースしたMotorolaは2011年8月にGoogleに買収されており、今後Android陣営で大きな存在感を発揮することが予想されるため、auは今後のAndroidスマートフォン戦略において、非常に重要なピースを得たことになります。

◆ついに「iPhone 4S」を獲得、Android・iPhone・Windows Phoneを揃えた国内唯一の携帯電話会社に
運命の2011年10月5日(日本時間)、長らくソフトバンクモバイルの「武器」として独占販売が続いていたiPhoneの最新モデル「iPhone 4S」を獲得。これによりauは国内の携帯電話会社で初めて、Android・iPhone・Windows Phone 7.5を揃えることとなりました。

なお、独占が崩れたソフトバンクモバイルは公式ページで自社のiPhone 4Sが通信速度などの面において優位であることを主張していますが、KDDIにはカバーエリア面での強みがあるほか、全国の繁華街で行われた通信速度調査ではau版iPhone 4Sに軍配が上がるという調査結果も出ています。

◆NTTドコモの対iPhoneスマートフォン「Galaxy」シリーズを獲得、「au無双」状態に
そして今回行われた2012年春モデル発表会において、iモードを組み込めないことを理由にiPhoneの販売に消極的なNTTドコモが、iPhone対抗の主力商品として展開している「Galaxy」シリーズをラインナップに加えることを発表。なんと国内で初めてiPhoneとGalaxyを併売する、まさに「au無双」状態となりました。

これが「auのGalaxy」、「Galaxy S II WiMAX ISW11SC」速攻フォトレビュー

さらにLG電子の「Optimus」も獲得。同発表会では「あたらしい自由。」という新キャッチコピーが提示されましたが、主要スマートフォンをほぼカバーした現在、その言葉に偽りはありません。

超高輝度液晶にGeForce搭載、「OPTIMUS X IS11LG」フォト&動画レビュー

◆各社の主力モデルがauに集結するメリットは?
今回のGalaxy獲得で、各携帯電話会社の主力モデルがauに集結したわけですが、これによって「AndroidからiPhoneへ乗り換えたい」といった場合でも、ユーザーが携帯電話会社を変えることなくプラットフォームを変更できることになります。

MNP(番号乗り換え制度)を利用した携帯電話会社間の移転が普及しているものの、いまだに「メールアドレスが変わるのはちょっと……」というユーザーは多いため、メールアドレスを変えることなく使いたいプラットフォームに乗り換えることができるというのは、大きなメリットではないでしょうか。

また、他社の主力ラインナップを取り込むことで、NTTドコモのGalaxyユーザーがauのGalaxyに乗り換える……というように、「他社からauへの乗り換えがしやすくなる」というメリットも生まれるため、一連の施策はKDDIとユーザーの双方にメリットをもたらすものであると考えられます。

◆「選べる自由」は次の次元へ
Android・iPhone・Windows Phoneを揃えたことで、「未来は選べる」「あたらしい自由。」を体現したauですが、次にフォーカスされると思われるのはネットワーク部分。本日行われた発表会では、固定通信と携帯電話を融合させた新料金プラン「auスマートバリュー」が展開されることが明らかになりました。

光ファイバーが実質無料も、KDDIが「auスマートバリュー」展開へ

なお、auは2012年に次世代通信「LTE」をサービスインするほか、KDDI子会社のUQコミュニケーションズも2013年に下り最大330Mbpsを実現する次世代高速通信「WiMAX 2」をサービスインする予定であるなど、複数のネットワークを利用した「マルチネットワーク戦略」を展開しているため、将来的にはスマートフォンのプラットフォームのみならず、必要に応じて適切な回線を選べるようになるという点についても、期待できそうです。

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